2026.02.25

【化学物質】取り扱い規制が強化されます!

 2026年4月より、化学物質の取扱いに関する規制が大幅に強化されます。具体的には、化学物質の譲渡・提供時に発行される注意文書(SDS:安全データシート)の発行義務や、事業者による化学物質の危険性・有害性に関する調査(リスクアセスメント)対象の物質数が約2,900品目に拡大されます。この数値は危険性または有害性のあるほぼ全ての化学物質を含むことを意味し、事業所にはよりきめ細やかな安全対策が強く求められることになります。

化学物質の取り扱い規制強化の背景

 近年、産業の発展に伴い利用される化学物質の種類と量が急増しています。これにより、多種多様な物質が職場や社会環境に存在するようになり、労働者や市民の健康被害リスクが高まっていることが問題視されてきました。特に、毒性や発がん性など人体への悪影響が懸念される化学物質が多く使われる現状に対応するため、より包括的な管理体制の構築が必要とされました。
 従来の規制では対象となる化学物質の範囲が限定的であったため、リスクが十分に把握・管理されていない危険有害な化学物質が存在するという課題がありました。また、SDS(安全データシート)の発行やリスクアセスメントの義務化についても、十分に普及しておらず、現場での安全対策が不十分である場合が散見されました。
 労働環境の安全確保と作業者健康被害の未然防止は国の重要課題です。規制強化により、ほぼすべての危険有害化学物質を対象としたリスク管理の徹底を図り、化学物質の取扱いに関わるすべての事業者が、より安全で透明な情報提供とリスク評価を実施する義務が課されることになりました。また、国内外の労働安全衛生基準が高まり、国際的な規制や管理制度に準じた形での法制度整備が求められ、規制強化に至りました。

2026年4月から新設される罰則

①SDS交付義務違反への罰則
SDS交付義務に違反した場合には、「6月以下の拘禁又は50万円以下の罰金」が課されます

②通知事項変更時の再通知義務
SDS交付済の物質について、通知事項が変更されたときには、提供先(譲渡先・下流ユーザー)に再通知する義務が発生します

化学物質の危険・有害性の通知義務とは?

<譲渡・提供する企業の義務>
・ラベル表示義務
化学物質の名称や人体に及ぼす作用などの危険・有害性情報を、製品ラベルに必ず表示しなければなりません。

・SDS交付義務
譲渡・提供先に対して、安全データシート(SDS)を交付し、物質の成分・含有量や危険・有害性に関する詳細情報を通知する義務があります。

<譲渡・提供を受けたユーザー企業の義務>
・リスクアセスメント実施義務
受け取った化学物質の危険・有害性について調査・評価(リスクアセスメント)を行わなければなりません。

ばく露低減措置の実施義務
リスクアセスメントの結果に基づき、従業員等の化学物質被ばくを低減する措置を講じる義務があります。

リスクアセスメント対象物質の一覧

 リスクアセスメント対象物質は、2024年4月以前は労働安全衛生法に基づき674の物質が定められていましたが、2024年以降急ピッチで追加が進み、2026年4月からは2,900物質となります。

 これは、2022年5月の省令改正で導入された新しい化学物質管理体系に基づいて行われています。2021年ごろから政府は年間約50~100件の化学物質に対してGHS分類を実施してきました。2024年、2025年、2026年と行われる義務対象物質の追加はこのGHS分類の結果が反映されています。2026年以降にも義務対象となる物質は定期的に増加していくと考えられています。実際、欧州などでは危険性または有害性の認められる1万以上の物質に対して規制が実施されている現状があり、日本でもいずれ同程度まで規制が拡大していくのではと予想されています。

 2026年4月1日に追加されるリスクアセスメント対象物質の一覧については以下のURL(厚生労働省HP)よりご覧いただけます。

厚生労働省「職場の安全サイト」> 表示・通知対象物質の一覧・検索
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/gmsds640.html

まとめ

 2026年4月施行の化学物質に関する新制度は、リスクアセスメント対象物質の大幅拡大とともに、SDS交付義務とラベル表示の義務付け、更に再通知義務の新設や罰則の強化を柱としています。これにより、化学物質取扱い事業者はこれまで以上に詳細な情報提供と従業員保護に向けた対策を実施することが求められ、事業所の安全管理体制における改善が不可欠となります。安全な職場環境の確保のためにも、リスクアセスメントとSDS伝達体制の整備を進めることが重要です。

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