社員ブログ PERSONNEL BLOG

  1. ホーム
  2. 営業所一覧
  3. 山本一詞の記事一覧
  4. 機械設計

機械設計

投稿日:2025.04.01

前職で機械設計をやっていました。と言うと、「CADは得意なんですね」と必ず聞かれます。

CADは、コンピュータを使った図面の作図ですが、そもそも、機械設計で図面を描く業務は、ほんの一部の業務です。
製品メーカーなら、入社して10年目くらいまでの業務ではないでしょうか。

では、「機械設計って何をやっているのか?」ということになります。
機械設計には、
設計構想→設計仕様書の作成→全体設計(レイアウトやユニット・部品構成)→個別設計(図面の作成)
という基本的な流れがあります。
また、図面から試作品を作り、組立動作させテスト、評価、改善をして完成度を高めて行きます。
試作品は、0次試作(原理確認のため部分的に作る)、1次試作(全体確認)、量産試作(生産ラインで試作)と3回程あります。
量産試作で合格すれば、量産に移ります。
私が携わった複写機の設計では、開発スタートから量産まで2年の長丁場になります。

最初は開発部門だけ、その後、品質部門や生産技術部門、購買部門が入って大所帯になります。
複写機の場合、最初は10人からスタートし、量産間際には200人が関わります。
部品点数は約3万点、組立工場に運ばれるユニットで約300点あります。
1機種で月産500~4000台作りますので、金型を作りますが、金型費で10億円掛かります。
私が担当した部品だけでも1機種で300点あります。

新人は下流の個別設計(部品図の作成)から入ります。
先輩からポンチ絵(手書きの部品図)を渡され、CADで図面を仕上げます。
最初は、公差(部品の寸法許容範囲)や加工精度記号の意味が良く分からず写しているだけです。
関連する複数の部品を担当し、ユニットの組立図まで担当して、実際に試作品を組んでみると段々と意味が分かるようになります。
昔の丁稚奉公と同じで、途中で逃げ出す人も多いです。(新人は3年で約半数になる)

試作部品は協力工場に製作依頼しますが、この時に工場のおやっさん(社長)から手厳しい指導を受けます。
量産時に加工しやすい部品、コストが安くなる方法などです。
慣れてくると、「うちの工場を見に来てくれ」と言われ、何社も訪問しました。
機械加工(切削や研削)、プレス、ダイキャスト、樹脂成型、メッキ、塗装・・・

勿論、先輩からのOJTもあります。教育と実践を繰り返し、機械技術者としての腕を磨いて行きます。
様々なユニット設計ができるようになると、次は全体のレイアウト設計を任されます。
真っ白なA1サイズ用紙に、大まかに部品やユニットを割り当てて行く作業です。完成するのに1か月近く掛かります。
空間が多いとだらしない機械になりますし、詰め過ぎると組立できなくなります。
入社から8年から10年くらいでしょうか、係長の名札を貰えば一流の設計者です。

電機メーカーの場合は、電気グループと機械グループに分けられ、上司も別々ですが、
仕事は機種ごとにマネジャーが居て、混成チームで行います。
なので、大学の機械科を卒業した人も、係長になる頃には、ある程度は電気の事が分かるようになります。
モーターやアクチュエーター、センサーやスイッチ類の機能や使い方です。(回路設計まではできません)

係長になると、図面作成から離れて、全体構想書や仕様書の作成に業務のウェイトが移って行きます。
係長を6-8年くらいやると、マネジャーになります。
マネジャーは、開発の進捗管理や予算管理(開発コストと製品コスト)、人の問題(設計人員の割り振り)、他部門との調整がメインになり、図面を描くことはなくなります。
要は、丁稚から番頭になります。

つづく


工場工事ならおまかせ!施工事例サイト「製造現場まるごとサポート!」

電気代大幅削減、暑熱対策や換気対策には『ケールファン』

山本一詞

営業本部 エンジニアリンググループ

 

山本 一詞

新着記事

採用情報 RECRUIT

数多くの企業の中から縁があって西川産業に入社し、働いている社員は大切な仲間。
研修制度や福利厚生に強く力を入れているのは、
「よく働き、よく遊ぶ」ことこそが社員の人生をより華やかにすると信じているからです。
この縁を大切に、新な仲間との出会いを心より楽しみしています。