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デジタルとアナログ

投稿日:2025.10.02

大学には名物先生という人が必ず居ると思います。
私の大学にも、精密機械講座に楠井さんという助教授がいました。(今で言う助教)
この方、カッパブックスの「工学部のすすめ」の筆者でもあり、読まれた方も多いと思います。
東京大学の精密機械工学を専攻され、リズム時計に就職、その後、母校で博士を取得され、当大学に来られました。
講義の時は、風呂敷包みで教科書や参考書を持参されるのですが、講義の内容は「機械工学概論」で持参本は紹介するためです。
毎回違ったトピックスで、内容がどれも面白く、他学科からも生徒が聴講にくる程、人気のある人でした。

この先生の自論は
「大学卒業したら会社に勤めなさい。暫く勤めてから、もっと勉強したい人は大学に戻ってきたらよい。」
「ドイツの大学の機械工学科は、社会人を受け入れることで、世界一の機械大国になった」
口癖のように言っていました。

ある時、講義が始まると、生徒の腕時計を見せろと言って、席を廻って行き、教壇に戻り、立て続けに、
「君ら機械工学科やのに、機械式時計は僅かやな。デジタル多いな」
「うん、でもその気持ちは良く分かる」
「私も時計屋辞めたのはそれや」
「時を刻む目的なら、機械式は出る幕はないからな」
「でも、針式の方が見やすい。残り時間が分かりやすいというメリットはある」

楠井先生「何で機械式時計より、デジタル式の方が正確なんやろ。君分かる?」
生徒「・・・・」
楠井先生「基準となる振動数が違うんや」
    「機械は1秒間に4‐5回、頑張って8回、クオーツは32,768回や」
    「1回間違えた時の影響はクオーツの方が圧倒的に少ない。これが精度に影響している」
    「ところで、君の時計はデジアナやな。針とデジタル表示の両方がある。それ最悪やな」
生徒「えっ何でですか?」
楠井先生「電池が無くなったら両方とも止まる」
生徒一同、大爆笑

楠井先生「機械屋は一生懸命、時計の精度を追及してきた。しかし、デジタルは簡単にそれを超えていった」
    「ここが今日の講義のポイント、何でも機械でやったらアカンということ!」
    「他に機械でやるべきでないことは?」
生徒「・・・」
楠井先生「制御や」
    「時間軸を基準として動作させるものは、電気には適わない」
    「逆に、機械が向いているものは?」
生徒「エンジンとか自動車とか」
楠井先生「そやな、パワーを伝えるもの」
    「今日は何を伝えたいのか分かった?」
    「これから社会にでて色んな製品に携わると思うが、何でも機械でやろとするなという事」

楠井先生の教えの通り、機械は限りなく電気と融合の方向に向かっています。

おわり


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山本一詞

営業本部 エンジニアリンググループ

 

山本 一詞

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