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機械加工

投稿日:2025.04.03

当社は、工作機械や工具を扱っていますが、工作機械で加工する業務を機械加工と言います。
機械加工は、精度を上げようとすると加工時間が掛かります。これは部品コストの上昇に直結します。

機械加工の加工賃は、
マシンチャージ+刃物代(消耗品)+人件費になります。
マシンチャージは、機械購入費を稼働時間で割り算して、1時間当たりの単価にします。
高価な機械や時間を食う加工は、マシンチャージが大きくなります。
なので、設計者は無暗に精度は追及せず、必要最低限に抑えます。

私がシャープに入社した頃は1ドル170円で、潤沢に部品コストを掛けても採算は取れました。(8割を輸出)
しかし、段々と円高になり、部品のコストダウンを迫られるようになり、部品の作り方が変わってきました。

余談ですが、大手は1ドル80円を経験していますので、現在の水準140円では、輸出中心の会社は笑いが止まらないでしょう。
トランプ関税で、自動車の関税が2.5%から25%に上がっても、レートが120円になったイメージで、大した痛手ではないと思います。(北米での値上げ幅は少ないと予想)
大体ですが、輸出企業はレートが1円上下すると、利益率が1%変わってきます。

メーカーはコストの掛かる機械加工品を、次々と成型品に置き換えるようになりました。
成型品は、金型製作にコストと時間が掛かりますが、生産は1個が数秒から数分で完了します。
スタンプを押すようにポンポンと生産できますので、外国人はスタンピングとも呼びます。
ちなみに、電機製品の成型用金型で、3~4か月の製作期間が掛かります。(@数千万~1億円)

例えば、複写機では、
① アルミダイキャストは樹脂成型品になりました。
アルミダイキャストは、アルミの成型品ですが、機械加工によって精度を出します。
樹脂成型は、アルミとは違って金型費が莫大に掛かりますが、原則後加工をしません。
力の掛かる部分には金属部品をインサート成型したり、軸間精度が必要な部品はアウトサート成型します。

② ギアは機械加工から、焼結合金(金属成型品)へ、更に樹脂成型品へと置き換えられました。
ご周知のように、ギアはMCでも加工できますが、時間が掛かるのでホブ盤という専用機で加工します。
それでも1個製作する時間は長く、量産品は成型品にどんどん置き換わって行きました。
複写機のギアは精度が必要で、金型が高いのですが、それも成型の方がトータルコストは安いです。

③ 要となる軸間精度を決めるフレームは、ダイキャスト品から板金プレス品に置き換えられました。
軸間距離はプレス金型の精度によって出します。
1000トンのプレス機で、1回のプレスで何百という穴を同時に空けることで達成しています。

よく自動車と比較されるのですが、
複写機(複合機)は精密機械に分類され製品価格は1kg当たり1万円、自動車は1kg当たり3千円です。
オフィスでの紙の使用量が減ってきて、11社あったメーカーは7社になりました。
これも時代の流れです。

自動車も機械加工部品は段々と減ってきていると感じます。
先ず第一に、エンジン自体が無くなろうとしています。エンジンは機械加工の極みです。
ダイキャストから樹脂成型品への移行も進められています。(熱の掛からない吸気系部品など)
機械加工部品の需要は減っているが、金型の需要は確実に増えていると思います。
コストを考えれば、当然の結果です。

おわり


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山本一詞

営業本部 エンジニアリンググループ

 

山本 一詞

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