積分型ビジネス
投稿日:2025.05.01
積分型ビジネスとは、製品を売った後も、
その製品に纏わる消耗品販売やメンテナンス等による収入が、継続して得られるビジネスを言います。
工作機械も、刃物類や冷却液などの消耗品ビジネスはありますが、メーカー専用品や指定品などはなく、
市販品なので、消耗品で顧客を囲うことは難しく、積分型ビジネスにはなり難いです。
積分型ビジネスとして、有名なのがコピー機やプリンターの「黒い粉」のビジネスです。
コピー機を1台販売すれば、4年間で同額の消耗品が売れます。勿論、消耗品は専用品です。
他メーカーの消耗品を使った場合には、メーカー保証は受けれなくなります。
メーカーは専用消耗品を使い、自社の認定するサービスを受けることで品質が維持されることを保証します。
メーカーは販売店に対して、随時サービストレーニングを実施しています。
メーカーがコピー機や消耗品を販売店に卸す時は、それぞれに価格が付いています。
ところが、全てではないですが、販売店は、コピー機本体を格安でお客様に販売しています。
お役所の入札では10円や100円、民間企業ではゼロ円もあります。
その代わりに、コピー1枚につき4円という形で、お客様から料金を頂戴します。
また、メンテナンス費用についても、定期メンテナンスとして1回幾らという料金設定をして、費用回収をしています。
コピー機代金は、この消耗品やサービス費用に含まれます。
物販というよりサービス(役務)に近い商売です。
この1枚4円は、カタログ等には標準価格(或いは参考価格)と記載されていますが、メーカーの縛りはありません。
ですが、どのお店で、どんなコピー機を購入しても、同一価格が提示されます。(談合やカルテルはありません)
また、4円が高いというクレームもありません。理由は幾つかあります。
・初めてのお客様には、代金の支払いシステムを必ず説明します。
・コピーチャージと言って、使った分だけ支払う。(電気や水道と同じ従量制)
・1枚4円(白黒)は、どこの販売店でも値引きをしません。
一部、例外的なメーカーもありますが、安いからと言って、シェアーを拡げている様相はありません。
販売店に卸す、コピー機や消耗品の価格は、コピー機のグレード(速度やカラー/白黒)により大きく違います。
販売店は自社が損をしないように、顧客のコピー需要を事前に調べて、最適なコピー機を提案します。
例えば、少量のコピーしか取らないお客様に、高価な高速機を納入すると、元が取れなくなるからです。
始めて販売するお客様は、事前にコピー量の調査をします。
例えば、他社置き換えなら、他社型番を調べ、同等機を提案します。
つづく
営業本部 エンジニアリンググループ
山本 一詞