AI(Artificial Intelligence=人工知能)について 1
投稿日:2025.10.16
日経TECHに
「AIバブル崩壊は想定内か、投資家やビッグテックの動向」という記事がでています。
AIのバブル的熱狂に対し、すでに各方面から警鐘や調整の兆しが現れていると言うのです。
例えばマイクロソフトは、オープンAIとの提携強化などに伴い大規模なAI対応データセンター建設を各地で進めてきたが、2024年末~2025年にかけてその計画を一部見直す動きを見せたとあります。
今回は、AIについてお話したいと思います。
巷ではAIブーム、AIを使って業務の効率化を訴えるIT企業が多いです。
個人的にChatGPTやCopilotを使って情報を仕入れたり、文書を代筆させている方も多いと思います。
AIブームは過去2回ありました。
1950-1960年代の第一次AIブーム
コンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになりました。
迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うことはできても、
様々な要因が絡み合っているような現実社会の課題を解くことはできないことが明らかになり、一転して冬の時代を迎えます。
1980年代の第二次AIブーム
「知識」を与えることで人工知能(AI)が実用可能な水準に達し、多数のエキスパートシステムが生み出されました。
世にある膨大な情報全てを、コンピューターが理解できるように記述して用意することは困難なため、
実際に活用可能な知識量は特定の領域の情報などに限定する必要があった。こうした限界から、1995年頃から再び冬の時代を迎えます。
2000年代から続く第三次AIブーム
「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いることで人工知能(AI)自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化されました。
知識を定義する要素(特徴量11)を人工知能(AI)が自ら習得するディープラーニング(深層学習や特徴表現学習とも呼ばれる)が登場しました。
過去2回のブームにおいては、人工知能(AI)が実現できる技術的な限界よりも、
社会が人工知能(AI)に対して期待する水準が上回っており、その乖離が明らかになることでブームが終わったと評価されています。
皆さんが日常使っているAIの殆どは自然言語分野と呼ばれるもので、膨大なWebデータから必要な解答を見つけ出すものです。
端的に言えば、Webデータの検索の達人であれば、同等の解答は導き出せる範囲であったり、
文章生成AIも、文章力のある人なら、AIを使わなくてもできる範囲だと言えます。
よくAIに仕事を奪われるとか言いますが、その範囲の話でAIの本質的な能力ではないと感じます。
ChatGPTが登場した頃はマスコミに持て囃されましたが、単純な四則演算ができないとか、
大阪駅前で人気のあるフランス料理店と聞いたら、実在しないお店がさもあらんかのように答えに出てくるなど、?マークが頭の中をよぎりました。
例えば、Copilotの大阪万博のパビリオンの訪問プランを作成するように命ずると、短時間で答えを出してきます。
しかし、以下のような問題があることに直ぐに気づきます。
① そもそも抽選があって、入場できるか否かが分からないパビリオンを入れてくる。
② 東西南北の位置関係が全く理解されておらず、あちこち振り回される。(徒歩時間はでたらめ)
色々指摘すると修正案は出してきますが、②は全くダメです。位置情報の認識ができないのです。
人間なら、万博会場マップを見れば一目瞭然のことでも、AIには誰かが何らかの手段で教えない限り無理なのです。
このAIに教え込むという部分が、極めて危険な状態にあると思います。
Web上に転がっている間違った情報も、AIは正しい情報として認識してしまう事が多々あります。
素人が書いた記事には誤りも多いのですが、それが正しい情報かはAIは判断できません。多数決のような判断をしている帰来もあります。
私は良くCopilotを使っていますが、時々「くっすと笑ってしまうような回答」が出てきます。
AIとは言っても巷のSNSより少しマシな程度だと思います。
今のAIでは補助的な活用はできても、最終は人間が判断しないと使い物にならない印象です。
多分、このまま行くと、またブームは終わってしまうのではないでしょうか。
つづく
営業本部 エンジニアリンググループ
山本 一詞
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