キュービクルは大きな電力を必要とする施設に欠かせない電気設備です。高圧受電契約の際はキュービクルの設置が必要であり、関連する法令により設置基準が定められています。本コラムでは、キュービクルの概要や役割、種類による違い、導入のメリットや注意点を紹介します。キュービクルの導入を検討している方は参考にしてください。
目次
キュービクルとは?
キュービクルとは、電気設備の一種で「キュービクル式高圧受電設備」とも呼ばれます。主に工場や大型施設内で使用される配電盤を収納する箱型の装置です。高圧から低圧への電圧変換や配電を安全かつ効率的に行うために設置されます。
JIS(日本産業規格)にも、性能や動作等に関する標準が規定されています。なお、電気事業法では、キュービクルは「自家用電気工作物」のひとつに分類されています。
キュービクルの役割
キュービクルの主な役割は、高圧電力を低圧電力に変圧し、施設内で安全かつ効率的に電力を供給することです。高圧受電契約を結ぶ大規模な工場や商業施設、マンションでは、受電した高圧電力をそのまま使用できないため、低圧電力に変換する設備が必要になります。
キュービクルは主に以下の役割を果たします。
・電気の受電と配電をまとめて管理する。
・過電流や漏電、短絡などの電気事故を防止するための安全装置が組み込まれている。
・変圧器や計器が内蔵されているため、電力を管理・監視でき、施設内の電力供給を最適化する。
キュービクルの内部には機器が一式収納されています。収納されている主な機器は以下のとおりです。
| 機器 | 概要 |
| 変圧器 | 高圧の電圧を100Vや200Vに変圧する |
| 高圧進相コンデンサ | 電力の無駄を減らして電圧を安定させ、電気設備の効率向上を行う |
| 計量器・VCT | 電力使用量を測定する |
| 遮断機 | 過電流やショート等の異常が発生した際に電気回路を自動的に遮断し、設備を保護する |
上記以外にも開閉器(スイッチ)や断路器(電源を回路から切り離すスイッチ)等が組み込まれています。
キュービクルの導入メリット
電気料金の削減
電気料金の削減はキュービクル導入による大きなメリットのひとつです。高圧受電設備を導入することにより、需要家は低圧受電に比べて単価が安く設定されている高圧電力を利用できます。
特に電力を多く使用する施設にとって、長期的なコスト削減につながるでしょう。設備自体も比較的小さいため、屋上や駐車場の一部に設置できます。新たに土地を確保する必要がない点もメリットです。
安全性の向上と耐久性の高さ
キュービクルは高圧電流を扱う設備のため、漏電防止機能や過電流保護装置が標準装備されています。異常が発生した際、即座に電力を遮断し火災や感電等のリスクを最小限に抑えられる点がメリットです。
また、防火性能にも優れており、内部で発生するおそれのある火花や熱による火災を防ぎます。高圧受変電設備を金属製の箱に収納しているため、風雨や直射日光、小動物からの干渉も受けにくく安全性に優れています。
さらに、耐久性や防水・防塵性能が高いため、屋外設置でも厳しい天候や環境条件から設備を守ることができます。長期にわたって安定した運用が可能です。
メンテナンスが容易
キュービクル自体はコンパクトな構造をしており、機器の配置も整理されています。内部にアクセスしやすく、定期的な点検や交換作業がスムーズに行える点もメリットのひとつです。
工場で完成されたものが現場に納品され、取付工事が行われるので、専門知識がなくても導入は難しくありません。
キュービクルの種類と選定基準
キュービクルは、推奨品、認定品、非認定品に分けられます。
①推奨品:日本電気協会の定めた「推奨基準」を満たしていると審査・承認されたキュービクル
②認定品:日本電気協会の「認定基準」に加え、消防庁告示第7号に準拠していると審査・承認されたキュービクル
③非認定品:上記の「推奨品」「認定品」に該当しないキュービクル
違いとしては、推奨品と認定品のキュービクルは、JIS C 4620キュービクル式高圧受電設備をふまえた厳しい基準をクリアしている優秀な製品です。それぞれの審査に合格したキュービクルには、正面扉表面に 「推奨品」 や「認定品」 の銘板が取り付けられます。
推奨品のメリットは、波及事故および感電事故の防止を図れる点です。一方、認定品は消防庁告示第7号にも準拠しており、火災発生時に消防設備用電源を確保するための構造が備えられている点がメリットです。また、消防法令の設備等技術基準に適合しているものとみなされ、消防検査の簡素化も図ることができます。
なお、推奨品・認定品共通のメリットとして、一部の規定が緩和される点が挙げられます。具体的には、非認定品を屋外に設置する場合は建築物から3m以上距離を保つ必要がありますが、推奨品・認定品の場合は1m以上でよいとされます。
上記を踏まえたうえで、キュービクルを選定する際には以下の点に注意する必要があります。
・設置場所の環境条件(屋内か屋外か、周囲の温度や湿度など)
・必要な電圧や容量(工場の使用電力に対応しているか)
・安全基準や規格(地域の電気規制や業界基準に適合しているか)
・メンテナンスのしやすさと信頼性
・予算や長期的なコストパフォーマンス
法定耐用年数
キュービクルの法定耐用年数は、15〜20年ほどとされています。公表されている耐用年数は15年という大体の目安のため、長く使用するにはメンテナンスや点検が欠かせません。
キュービクル新設・更新時のポイント
キュービクルの新設や更新を行う際には、次のことが重要です。
・信頼できる業者選び:実績があり、技術力の高い業者を選ぶことが重要です。見積もりや対応の丁寧さも判断材料としましょう。
・設備計画の明確化:現場の電力需要や将来の拡張性を考慮して計画を立てることが大切です。
・法令遵守の確認:安全規格や法令に適合しているか必ず確認しましょう。
・保守契約の検討:運用開始後のメンテナンスや故障対応を迅速に行える体制を準備することが重要です。
キュービクルを設置する際には7日前までに管轄消防署に届出を行う必要があります。原則、届出後は消防署の検査を受ける必要があります。また、設置者は維持や運用に関する監督を担う電気主任技術者を選任しなければなりません。そのため、設置の届出とあわせて電気主任技術者選任の届出も忘れずに行いましょう。
まとめ
このように、キュービクルは製造現場の電気設備の要として安全で安定した電力供給を支える重要な役割を果たしています。適切に選び、管理することで、工場の生産性向上と安全確保に大きく貢献します。
弊社では、特定建設業許可を保有のうえ、一級電気工事施工管理技士も在籍しているため、お客様に最適なキュービクルの選定から工事まですべて行うことができます。ぜひお気軽にご相談ください!
★施工事例はこちらからご覧いただけます。
関西エリア(大阪・兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山)を中心に、
東海エリア(三重・岐阜・愛知)、中四国エリア(岡山)の工場工事なら
西川グループにお任せください!

月別
新着コラム
- 2026.01.30 キュービクルの基礎知識
- 2026.01.08 高齢者の労災防止対策が努力義務化へ
- 2025.12.22 省力化投資補助金(一般型) 第5回公募開始!
- 2025.12.10 簡易リフトが合法になりました!
- 2025.11.28 化学物質のリスクアセスメントについて