2025.03.24
はしごや脚立からの墜落・転落災害を無くすポイント

はしごや脚立はとても身近な用具であるため、墜落や転落の危険をそれほど感じずに使用する場合が多いのではないでしょうか。しかし、過去の災害事例を見ると、骨折などの重篤な災害が多数発生し、負傷箇所によっては死亡に至った事例も少なくありません。
はしご・脚立からの墜落・転落災害をどのようにすれば減らせるか安全対策のポイントについてご紹介いたします。
「はしご等」に関する労働災害の統計
令和5年の労働災害発生状況によると、労働災害における墜落・転落災害による死亡者数は204人と、全体の約27%を占めています。その中でも、「はしご等」は、実は墜落・転落災害で最も多い原因となっており、全体の23%を占めます。次いで、トラック(22%)、階段・桟橋(14%)となっています。また、毎年30人弱もの労働者が「はしご等」からの墜落・転落により亡くなっています。また、脚立での労働災害において最も多い傷病名は骨折で、重篤な災害につながりやすいことがわかります。
※「はしご等」:はしご、脚立、作業台など

墜落・転落災害の発生事例と対策
はしごや脚立からの墜落・転落災害について、実際に起こった事例と考えられる対策についてご紹介します。

はしご・脚立を安全に使用するポイント
はしごや脚立を使う前に、まず以下の2点について検討してみましょう。
✅はしごや脚立の使用自体を避けられないか?
✅墜落の危険性が相対的に低いローリングタワー(移動式足場)、可搬式作業台、手すり付き脚立、高所作業車などに変更できないか?


上記を充分に検討しても他の対策が取れない場合に限って、はしごや脚立の使用を安全に行うようにしてください。はしごや脚立の安全使用のポイントは以下の通りです。
《移動はしごの安全使用のポイント》
✅はしごの上部・下部の固定状況を確認しているか(固定できない場合は別の人が下で支える)
✅足元に滑り止め(転位防止措置)をしているか
✅はしごの上端が上端床から60cm以上突出しているか
✅はしごの立て掛け角度は75度程度か

また、後付けの安全器具で安全性を高めることもできます。
・はしご支持・手摺金具
・はしご足元安定金具
・安全ブロック

▲はしご用安定性補助器具の例
《脚立の安全使用のポイント》
高さ2m以上での作業時は、ヘルメットだけでなく墜落制止用具(安全帯)の着用が推奨されています。
ヘルメット着用の徹底
はしごや脚立からの墜落・転落災害において、頭部を負傷した死亡災害では、うち8割強が墜落時保護用のヘルメットを着用していなかったという統計があります。以上のことから、はしご・脚立使用時には必ず墜落時保護用のヘルメットを着用するようお願いいたします。ヘルメットには「飛来・落下物用」と「墜落時保護用」の2種類があり、荷役作業では内部に衝撃吸収ライナーを備えた「墜落時保護用」の使用が望まれます。

はしご・脚立の使用前安全点検
はしごや脚立を使用する際は、チェックリストを使って作業現場の点検をしてください。作業者や周囲の安全を守るためにも、すべてにチェックが付いた状態になってから作業を始めるようお願い致します。
※下記をクリックしていただくとチェックリストのPDFをダウンロードできます。
まとめ
はしごや脚立での作業時は安全使用のポイントを参考にしていただき、使用前点検やヘルメット着用を徹底することで、墜落・転落災害の抑制に役立てていただければ幸いです。
当社では労働安全衛生方針に掲げる「工事現場における労働災害ゼロの維持」を目指して、作業員への注意喚起や啓蒙に努め、安全管理を徹底します。無事故・無災害で工事が出来るようにこれからも一丸となって取り組んでまいります。
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